
一般的な間取り「●LDK」の1部屋を、愛車のためのガレージルームに変えられないだろうか。
NAPS Homeの家づくりには、そんな発想があります。
例えば、3LDKなら「2GLDK」、4LDKなら「3GLDK」、5LDKなら「4GLDK」へ。
「G」は、ガレージルーム。土地の広さや形、家族構成に合わせて必要な居室を確保しながら、住まいの中に愛車の居場所を組み込みます。
ただ、この発想を実際の家にするまでには、設計上の課題がありました。
一番悩んだのは、限られた広さの中で、ガレージルームと居室空間をどう両立するかということです。
ガレージルームには、バイクを置くだけでなく、出し入れをしたり、手入れをしたりするための余裕もほしい。
その一方で、リビングや寝室、収納など、毎日の暮らしに必要な空間も大切です。
「1部屋をガレージルームにする」という発想でも、一般的な居室をそのまま置き換えるだけでは、使いやすい間取りにはなりません。バイクの動線や入口の位置、居室とのつながりまで含めて、住まい全体を考える必要があります。
特に狭小地では、ガレージのために面積を使うほど、暮らしの空間にしわ寄せが出やすくなります。
愛車の居場所を確保しながら、家族が過ごす場所の広さも守りたい。そこで検討したのが、「車庫緩和」を活用する方法でした。
土地には、敷地面積に対して、どれだけの床面積の建物を建てられるかを定める「容積率」というルールがあります。
例えば、敷地面積が100㎡、適用される容積率が100%なら、容積率の計算に含める床面積の上限は、基本的に100㎡です。
一方、自動車車庫などに使う部分には、一定の範囲で、容積率を計算する際の床面積に含めなくてよい制度があります。この記事では、この仕組みを「車庫緩和」と呼んでいます。
除外できる上限は、敷地内にある建築物の各階の床面積の合計の5分の1です。
例えば、次のような建物を考えてみます。
住宅部分:100㎡
車庫部分:25㎡
全体の床面積:125㎡
全体の125㎡の5分の1は、25㎡。条件を満たせば、車庫部分の25㎡を容積率の計算から除外できます。実際の床面積は125㎡でも、容積率の計算では100㎡として扱えるということです。
この仕組みを活用すれば、容積率の上限をできるだけ居室やLDKなどのために使いながら、ガレージを設ける可能性が広がります。
※上記は制度を説明するための計算例です。実際に建築できる規模は、建ぺい率や高さ制限、敷地条件などによっても変わります。
今回の計画では、車庫として必要な防火性能を満たすために、ガレージルーム内の壁面に外壁材を採用しました。
家の中にあるガレージに、外壁材を使う。少し意外に感じるかもしれません。しかし、今回の設計では、必要な防火性能を確保し、車庫緩和を活用できる計画にするための大切な工夫でした。
ガレージを暮らしの一部として楽しめる空間にしながら、車庫として求められる性能も満たす。その両方を成立させるために、間取りだけでなく、壁の材料や仕様まで検討しました。
※外壁材を使えば、それだけで車庫緩和が適用されるわけではありません。材料や施工方法による防火性能、車庫としての用途など、必要な条件を計画ごとに確認しています。
外壁材の採用には、悩ましい面もありました。
ガレージには、棚を付けたり、工具を掛けたり、自分好みに手を加える楽しみがあります。ただ、厚みのある外壁材を使った壁面では、DIYの難易度が上がります。
手を加える際には、外壁材を通して下地にしっかり固定できる長さのビスなどを選び、外壁材にひび割れや欠けが生じないよう、材料に適した方法で慎重に施工する必要があります。
それでも、この仕様を選んだのは、防火性能に加えて、汚れや音への対策も考慮したからです。音については、壁面の材料だけでなく、壁全体の構成や扉なども含めて対策を考えます。
そして何より重視したのが、居室空間の面積を確保することでした。
壁面のDIYには工夫が必要になる。それでも、車庫緩和を活用できる計画にすることで、ガレージと暮らしの空間を両立しやすくなる。この点が、仕様を決めるうえで大きな理由になりました。
必要な部屋数も、実現できる建物の大きさも、土地や家族によって変わります。
2GLDKが暮らしに合うご家族もいれば、3GLDKや4GLDKを必要とするご家族もいます。大切なのは、その土地で、家族の暮らしと愛車の居場所をどう両立させるかです。
今回の取り組みでは、車庫緩和を活用した面積計画と、必要な性能を満たす壁の仕様を組み合わせることで、狭小地でもガレージハウスを実現する可能性が広がりました。
もちろん、すべての土地で希望どおりの計画が成立するわけではありません。それでも、土地の広さだけで諦める前に、設計や制度の活用によってできることがあります。
暮らしの中に、愛車の居場所を。
NAPS Homeは、土地の条件とそこに住む人の暮らしに合わせて、バイクとの時間も、家族の毎日も大切にできる住まいを提案していきます。
